Project 2 (P2)

P2のロードマップ

はじめに

プロジェクト英語2(P2)では、関心事をテーマにリサーチを行い、自分の考えを英語で発信するコミュニケーション能力を養います。リサーチ、ディスカッション、プレゼンテーション等のスキルを学び、簡単なインタビュー、アンケート、マルチメディア資料や文献資料の要約、プレゼンテーション、ディスカッション等のスキルを磨き、一般社会で広く求められるプロフェッショナル能力を養いましょう。

P2の到達目標

Stage 1 プロジェクトの立ち上げ(Week 1-2)

Stage 1-1 より発展したプロジェクトを起ち上げよう

前期のP1では、自分が興味・関心を抱いていることを英語で紹介するミニ・プロジェクトを行いました。後期のP2では、自分の興味・関心を中心に据えるという原則はそのままに、より発展したプロジェクトを立ち上げてみましょう。

ここでは、過去の先輩たちがP2で実践したプロジェクトをいくつかのグループに分類し、プロジェクトの発展形の事例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

問題解決プロジェクト(Problem-Solving Project)

開発プロジェクト(X-Development Project)

仮説検証型プロジェクト(Hypothesis Testing Project)

チャレンジ・プロジェクト(Challenge Project)

新しい技能を身につけたり、作ってみたり、自分にとって初めてのことに挑戦してみて、その成果を英語で発表するプロジェクトです。

チャレンジ・プロジェクトで重要なことは、チャレンジが成功しても失敗しても、それは評価には影響しないという点です。新しいことに挑戦すること自体が価値のあることであり、また、成功・失敗どちらの場合でも、その原因を分析し、他の人に論理的に伝えることが重要なのです。

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Stage 1-2 アカデミック・ライティングとは

P2では、プロジェクトの成果をアカデミック・ライティングのかたちに最終的に落とし込むことを目指します。

アカデミック・ライティング(academic writing)とは、一般的に大学以降の教育機関で求められる、学術的な様式にのっとった書き物のことを指します。

主に教師を読み手として想定し、フォーマルな文体で書くことが前提となります。その主たる目的は、自分の主張や研究成果を読み手に説明・説得することにあります。そのためアカデミック・ライティングには一貫した論理と事実に基づく客観性の高い記述が求められます。この点で日記や感想文とは異なります。

アカデミック・ライティングの種類

アカデミック・ライティングは大まかに次の3の種類に分類できます。

エッセイとペーパーの違い

日本語でエッセーと言えば随筆(筆者の体験や知識をもとに、それに対する感想や思索を散文でまとめたもの)を意味することが多く、文学の表現形式のひとつだと考えられています。英語の essay にも随筆という意味はありますが、もうひとつ、学生の書く小論文(日本語で言うレポート)という意味もあります。

paper に比べると essay は比較的自由な形式で書くことが許されており、扱うテーマも身近な話題や個人的体験に基づくトピックなどが認められます。しかしながら、 essay も paper と同様、論理と事実に基づいて書く必要があります。単に「私は~だと思う」で終わるのではなく、「私は~だと思う。というのも、~だからだ」と、書き手の主張を読み手に論理的に説明する必要があります。

Stage 1-3 プロジェクトのテーマを設定しよう

Stage 1-1を参考により発展したプロジェクトのテーマを設定し、クラスで発表・ディスカッションしてみましょう。

プロジェクトテーマの目的を明確にしましょう。

Stage 2 自らデータを収集する:インタビューとアンケートの実践(Week 2-4)

自らデータを収集する手段としてインタビューとアンケートを実践してみましょう。

Stage 2-1 インタビューを行う(Week 2-3)

次のポイントを明確にして、インタビューを行いましょう。

Stage 2-2 インタビュー結果を発表する(Week 2-3)

インタビューの結果をまとめ、発表・ディスカッションしましょう。

発表する際に、自分のテーマの目的、今回のインタビューの目的、インタビューの詳細、結果のまとめ・考察を入れるようにしましょう。

回答者の個人情報の取り扱いにはくれぐれも注意しましょう。

インタビュー結果を報告する英語表現例

Stage 2-3 アンケートを行う(Week 3-4)

次のポイントを明確にして、アンケートを行いましょう。

Stage 2-4 アンケート結果を発表する(Week 3-4)

アンケートの結果をまとめ、発表・ディスカッションしましょう。結果はエクセル等を用いてグラフを作成すると効果的です。

発表する際に、自分のテーマの目的、今回のアンケートの目的、アンケートの詳細、結果のまとめ・考察を入れるようにしましょう。

回答者の個人情報の取り扱いにはくれぐれも注意しましょう。

アンケート結果を報告する英語表現例

グラフを説明する英語表現例

Stage 3 マルチメディア資料を利用する(Week 5)

プロジェクトを発展させるための資料として、文献を調べることはもちろんですが、マルチメディア資料を取り入れることにも挑戦してみましょう。

マルチメディア資料はデータとして使用する以外に、発表でオーディエンスの注目を集めたり、説明をより分かりやすくするためにも使用できます。効果的な取り入れ方を考えてみましょう。

ビジュアルを活用してインタビュー・アンケートの結果を伝えてみよう!


Stage 4 中間プレゼンテーション(Week 6-7)

中間プレゼンテーションでは各自約5分でこれまでのプロジェクトの経過についてまとめ、報告します。

Stage 5 パラグラフ・リーディング(Week 8-9)

小論文ですと、パラグラフ(paragraph/段落)1つにつき、1つの主張や論拠の説明に用います。

パラグラフの最初の1~2文はトピック・センテンス(topic sentence)と呼ばれ、特に重要です(ただし、必ずしも最初にトピック・センテンスが置かれているとは限りません。However などの逆接語の直後に置かれたり、パラグラフの最後に置かれたりすることもあります)。トピック・センテンスでは、そのパラグラフに何が書かれているかを1~2文でまとめます。読者は、パラグラフの最初の1~2文を読むだけでそのパラグラフの中に何が書かれているかを簡単に把握することができるのです。言い方を変えると、トピック・センテンスで触れられていない情報をパラグラフの中に書くべきではありません。

トピック・センテンスのあとは、トピック・センテンスで述べたことを肉付けする具体的な内容に入ります。自分の主張をサポートする役割をするため、サポーティング・センテンスと呼ばれます。

最後にそのパラグラフをまとめるクロージング・センテンスが入ることがあります。

05-What is a Para.-Short.mp4

Stage 5-1 パラグラフ・リーディング 1

サンプルのアーティクルを読み、各パラグラフのトピック・センテンス、サポーティング・センテンス、クロージング・センテンスを探しましょう。また、パラグラフでどのような主張が行われ、どのような例・データ等を用いてサポートがなされているかを読み込んでみましょう。

Stage 5-2 パラグラフ・リーディング 2

自分のプロジェクトに関する英語のアーティクルを探し、Stage 5-1と同様に各パラグラフのトピック・センテンス、サポーティング・センテンス、クロージング・センテンスを探しましょう。また、パラグラフでどのような主張が行われ、どのような例・データ等を用いてサポートがなされているかを読み込んでみましょう。

Stage 5-3 サマリーを書いてみよう

自分のプロジェクトに関する英語のアーティクルの内容をパラグラフ・リーディングし、自分のプロジェクトに参考になる点を中心にサマリー(要約)をまとめます。サマリーの長さは、それをプレゼンテーションで使うのか、Term paperで使うのかによっても異なりますし、どの程度掘り下げて書くかについてはプロジェクトの内容によって様々です。重要なことは、サマリーは一通りでは決してないことです。自分の視点を大切にしましょう。

Stage 6 Term Paperを書こう(Week 10-13)

P2では基本的なアカデミック・ライティングの構成を学ぶため、プロジェクトの成果をTerm paper(学期末レポート)というかたちにまとめます。

アカデミック・ライティングと呼ばれる書き物には、どういう順番で何を書くかという、構成要素の順番や様式について、いくつかのルールが存在します。一般的にアカデミック・ライティングは次の要素を有します。

Title(表題)

ペーパーの題名です。ペーパーの扱うテーマや問題提起を簡潔に述べます。

Subtitle(副題)

Title に追加的な説明を加えたいときは副題をつけます。

Abstract(抄録/論文要旨):150~300 words

読者は、Titleを読んで次にAbstractを読みます。Abstractの内容に基づいて読者はその論文が読む価値があるかどうかを判断するのです。ですから、Abstractは読者に論文を読んでもらうためのアピールをする、とても大切な場所なのです。

Abstract では、まず、論文の最初から最後までを通して何が書かれているのかを簡潔にまとめます。一般的に、研究の目的、方法、成果、課題、そして研究の意義を簡潔にアピールするのが良い Abstract とされます。

Introduction(序論):全体の10%

ペーパーを家にたとえると、序論は読者が最初に足を踏み入れる場所、すなわち玄関です。読者は今から家の中を見て回りますので、その家がどういう家なのかを家の周辺地図や間取り図を使って玄関で教えてあげましょう。それが序論の役割です。

具体的には、ペーパーで扱われるテーマの背景知識の説明(General Statements)、そのペーパーのテーマの要約(Thesis Statement)、ペーパー全体の構成説明(Paper Outline)を序論で書きます。

General Statements

まず、ペーパーの読者にテーマの背景知識を簡単に説明します。

Thesis Statement

最後に、ペーパーの目的や主張のまとめを1~2文で述べます。この部分を Thesis Statement と呼びます。 Thesis Statement は論文の大黒柱になる非常に重要な部分であり、paper では Thesis Statement を軸に論を展開します。その論文に何が書かれているのか、コアとなる情報を簡潔にまとめましょう。

Thesis Statement が上手く書けない人は、「この論文の目的は~することである」の「~」の部分を考えてみて下さい。

Paper Outline

もし長めのペーパーであれば、このあとの本文~結論部分で何を論じるかを簡単にまとめます。

例:まず第1章では、~~~について述べる。次に第2章では、~~~を考察する。第3章では、~~~を時系列にまとめる。最後に、~~~を論じることで結論とする。

Body(本論):全体の80%

Body Paragraphs の役割は、Introduction で示された paper の主張(Thesis Statement)の内容を論証します。Thesis Statement を詳しく個別に説明し、具体的な事例や統計などのデータ、専門家の見解を示して説明します。また、Body Paragraphs をまとめて Body とも呼びます。ただし、Body という言葉そのものは、説明の便宜上呼んでいるだけであって、プレゼンテーションや Term Paper の中では、用いないようにしましょう。

パラグラフの構成

小論文ですと、パラグラフ(paragraph/段落)1つにつき、1つの主張や論拠の説明に用います。1つのパラグラフにたくさんの情報を詰め込みすぎないようにしましょう。

パラグラフの最初の1~2文でトピック・センテンス(topic sentence)を書いたあとは、トピック・センテンスで述べたことを肉付けする具体的な内容に入ります。

このように、本文を書くときは大きい情報から小さい情報へという流れを意識しましょう(総論から各論へ)。

このように、アカデミック・ライティングでは基本的な姿勢として、情報の階層構造の最上位ではそれ以下に含まれる内容を簡潔に示すことが求められます。

たとえば、上記の例で示した第1章の内容をさらに2つの節に小分けする場合、第1節と第2節それぞれのTopic Sentenceは次のようになります。

導入部を入れて読みやすくする

上記のようにトピック・センテンスのすぐ後ろから本論を始めてもいいのですが、読み手の気持ちがトピックに入りやすくするために導入部(introductory part)を設ける場合もあります。導入部では、トピックに関連した一般論やちょっとした小話を挿入したりします。

Conclusion(結論):全体の10%

Conclusion はペーパー全体の結論です。結論を書くときに注意したいのは、結論はこれまでに述べてきた意見をもう一度集約する場所だということです。結論に至るまでの意見を曲げたり、他の意見(特に反対意見)にも賛意を示したりする必要はありません。序論の Thesis Statement で書いたこととズレやブレのないようにしましょう。

研究を発展させる上での課題や展望を最後に含ませましょう。

References / Bibliography(参考文献一覧)

References と Bibliography はどちらも「参考文献一覧」と訳されますが、両者は意味が少し異なります。 References は本文内で言及(refer to)された資料やデータの出典一覧であり、 Bibliography は本文内に言及はないけれどもペーパー執筆時に参考にした資料などの一覧です。

参考文献一覧は、資料やデータの種類によっていろいろな書式があります。

本文内で外部の資料に言及することを Citation と言います。参考文献の書き方や Citation の表現については「引用と参考文献の一覧」を参考にしてください。

Stage 7 最終プレゼンテーション(Week 10-13)

最終プレゼンテーションでは各自8分でプレゼンテーションを行います。

先輩の動画を見る PEP @ Youtube 

最終発表 (2016)

Stage 8 まとめと振り返り(Week 14)

先輩方の優秀なterm paperはPEP Journalに掲載されています。