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Project 1 (P1)

P1のロードマップ

https://sites.google.com/a/pep-rg.jp/navi/pep-courses/p1/pep-p1-roadmap.jpg


はじめに (Orientation)


 このプログラムでは、学生の皆さんそれぞれが、自分の興味・関心に基づく「プロジェクト(Project)」を立ち上げ、それを実施します。プロジェクトの成果はプレゼンテーションという形で英語で行い、世界に向けて発信します。Project 1から、Project 2、Project 3・・・と進んでいきますが、この本質は全く変わりません。皆さん自身のプロジェクトを果敢にそして自由に行い、それを英語でグローバルに発信しましょう!

1-(1). プロジェクト(Project)とは何でしょう?


 「プロジェクト発信型英語プログラム(Project-based English Program: 通称PEP)」における、何と言っても最大のキーワードは「プロジェクト(Project)」です。プロジェクトと聞くと皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか? おそらく多くの皆さんが、「課題」であったり、「何か短期間に取り組むテーマ」という意味で「プロジェクト」という言葉を耳にしたことを挙げると思います。実際に辞書を見ても、日英共にそういった意味があります。以前は「◯◯計画」と言っていたものを、最近は「◯◯プロジェクト」と言い換えたりする例もありますし、この意味でのプロジェクトの使い方には馴染みがあると思います。その他にも英語でProjectと言うと、建物を建てたり、都市の開発を行ったりする際に、それを特にProjectと称することもあります。また皆さんが企業や研究所に就職した際、特定の事業内容や期間の決まった取り組みを指して「プロジェクト」と呼ぶこともあり、「今取り組んでいるプロジェクトは・・・」という話をすることもあるでしょう。
 もちろんこういった意味も「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」におけるプロジェクトは含みます。しかしながら、皆さんがこれから取り組むプロジェクトにはもっと広い意味を込めました。プロジェクトとは、皆さんが自分の興味・関心に基づいて取り組んだり、考えたりするありとあらゆる(森羅万象)ことを指すことができます。一生をかけて取り組むこと、生き甲斐として挑戦すること、自分だけでなく、自分が死んでも次の世代にも引き継ぎたいと思っていることもプロジェクトにすることができます。つまり、必ずしも「プロジェクト=時限的なもの(期間が定められているもの)」という解釈は必要ありません。
 かつてフランスの哲学者のサルトル(Jean-Paul Charles Aymard Sartre 1905-1980)は、「人間は・・・第一に主体的にみずからを生きる投企(とうき)なのである」と述べました。投企とはまさに英語でいうところのProjectであり、「未来に向かって自らを投げる」ことを意味します。これは実存主義を主張する彼の哲学の核心をなすキーワードの一つです。また、アメリカの教育学者であるキルパトリック(William Heard Kilpatrick, 1871-1965)は、プロジェクトを「社会的環境において展開される専心的目的的活動(wholehearted purposeful activity in a social environment)と定義し、これを「価値ある生活(worthy life)」の構成単位としました。また目的的活動(purposeful activity)である「プロジェクト」と等置されたその活動は、「全霊を傾けた(wholesouledness)」、「継続する傾向性(tendency to lead on)」、「多様性(variety)」という3つの条件を満たすと主張しました。
 このように、広いプロジェクトの解釈、つまり「広義のプロジェクト」論では、プロジェクトがかなり幅広い捉え方ができることが理解できると思います。「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」も、この「広義のプロジェクト」というスタンスを取っています。そして言うまでもありませんが、こうしたプロジェクトの定義に正解もなければ間違いもありません。プロジェクトに実際に取り組みながら皆さん自身で、「プロジェクトとは何か」、考えてみて下さい。

1-(2). プロジェクトには終わりもなければ満点もありません


 皆さんは「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」での取り組みを通して、様々な機会を得、多くのチャレンジを行うと思います。プロジェクトが時間軸で進むにつれて、取り扱うスキルや期待される水準は異なってきます。しかしながら、プロジェクトの本質である、「自分の興味・関心に基づきプロジェクトを立ち上げ実行し、英語で発信する」という「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」の型(プロトタイプ)は一切変わりません。ですから、皆さんそれぞれの興味、関心を大切にして下さい。理想的には、それを自分の仕事や、人生をかけて取り組む内容に昇華させて下さい。授業のためにプロジェクトを立ち上げるのではなく、自分の人生を、生活をプロジェクトのコンテンツにして下さい。「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」は英語プログラムです。必修の英語カリキュラムとして履修が義務付けられています。したがって、皆さんが英語の能力を高めることはもちろん期待します。しかし、誤解しないでもらいたいのは、プロジェクトは英語学習のための手段ではないということです。皆さんにはグローバル社会で、自分の好きなこと、興味のあることで縦横無尽にプロジェクトを立ち上げ、時に世界中の仲間と協働し、それを人々の役に立ててもらいたいと本気で思っています。そして「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」において、その第一歩を踏み出してもらいたいと思っています。英語でプロジェクトを発信する理由は、グローバル社会で最も使われている主要言語は英語だからです。それ以上でも以下でもありません。つまり、「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」の第一の目的は、皆さんに(英語で)プロジェクトができるようになってもらいたいこと、これに尽きます。そして結果的に、もしくは副産物的にとも言いますが、気づいてみたら英語ができるようになっている、これが目指す姿です。詰め込み式の学習とは違って、「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」では、これまでとは違った形、リサーチやプレゼンテーションの活動のなかで多量の英語を読み、書き、話し、聞きます。これは皆さんが持っている英語力を高め、知識として眠っていたものを使えるようにします。しかしあくまでこれは主目的ではありません。これが「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」がいわゆるこれまでの「コンテンツ・ベースド」型の英語教授法とは一線を画す所以です。
 皆さんが取り組むプロジェクトは、繰り返しになりますが、皆さんの興味、関心に基づきます。したがって、一つとして同じプロジェクトは存在しません。また皆さん自身も年齢や経験を重ねることでプロジェクトの内容が変化することもあるでしょう。つまり、どのプロジェクトが最も良いとか、このプロジェクトは満点で、これ以上改善の余地はない、ということは「ありえません」。時間的な制約で、中間、最終発表を行うことになりますが、しかしそれは皆さんのプロジェクトが「終わる」ことを意味するものでは決してないことを理解して下さい。ネバー・エンディング・プロジェクト、これこそがプロジェクトの醍醐味です。

1-(3).「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」の主役は間違いなく皆さん自身です!


 「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」では、皆さんがプロジェクトを立ち上げ、実行し、それを英語で効果的にプレゼンテーションできるための様々な「スキル」を、実際のプロジェクトの経験を通して体系的に学ぶことができるようになっています。しかし、こうしたものは全て、皆さんのプロジェクトという「コンテンツ(中身)」があって初めて機能します。つまり、料理の道具や料理法はいくらでも準備しますが、肝心の皆さんが何を料理するのか、という「中身・内容」がなければ全く意味をなさないということです。
 この意味で、「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」の主役は、間違いなく皆さんです。教員は、アドバイザーであったり、ファシリテーターという、あくまで影の役割に徹します。なぜなら、教員が皆さんのプロジェクトを実行するわけではないからです。教員は確かに経験や一定の知識を持ち、皆さんのプロジェクトの内容にも熟知している場合があると思います。しかし、皆さんが本当に興味があること、関心があること、調べてみたいこと、気になること、問題だと感じていることについて、当たり前ですが、一番そのことに精通しているのは皆さん自身以外にいません。どうか、自分と、自分がプロジェクトとして取り組む内容に自身を持って、堂々と挑戦してもらいたいと思います。
 別の言葉でまとめます。「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」は、カリキュラムを通して、式次第を提供し、取り組みの「型」や「枠組み」を提示します。そこに中身を埋め込んでいくのは皆さん自身のコンテンツです。「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」の履修が、皆さんが持つ潜在的な可能性を可能な限り高められる良い機会になることを願っています。

1-(4). Project 1のテーマ: 「セルフ・アピール」


 「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」では、第一学期目の活動として、セルフ・アピールをテーマにプロジェクトを進めます。セルフ・アピールというのは簡単に言えば「自己紹介」です。ただし、ただ自分のことをつらつらと紹介するのではなく、自分が他人に自慢できること、誇れること、知ってほしいことを「アピール」できるようになってもらいたいと考えています。実はこうした自分をアピールする経験は、なかなか日本語でさえ行った経験のない人も多いと思います。構いません。いきなり英語になりますが、自分を積極的にアピールしてみましょう。
 「出る杭は打たれる」ではないですが、特に日本社会は、「アピールする」ことが「自慢する」ことと混同され、必ずしも良い意味では捉えられないかもしれません。しかしながら、良い意味でのアピールは、特にグローバル社会で活躍する上でとても重要なことになってきます。単なる自慢は、他人を貶めるためであり、自己満足のためです。しかしアピールとは、他人に自分ができること、自分の能力を披露することであり、他人はそれを「知る」ことで、もちろん素直に「すごい」と思うこともありますが、それ以上に、将来、何か新たなプロジェクトを立ち上げる際、皆さんに協力を求めることに繋がるのです。実はこのようにして、人的なネットワークは築かれるのであり、アピールすることは、大変重要なコミュニケーション活動の一つなのです。皆さんも純粋に考えてみて下さい。自分の友達が「すごいやつ」ばかりであればあるほど、そんなすごい友達を持っている自分の価値も上がるはずです。また他人のアピールを知ることで、他人のことを良く知ることができ、さらに話をしてみたくもなるでしょう。そして、他人のアピールは、その内容が多様であればあるほど、皆さんにとっての戦略的な「財産」となります。なぜなら、人は全ての知識を持ち、経験をすることはできません。誰にでも得意な分野、不得意な分野があり、特殊な経験を持っている場合もあれば、そうでない場合もあります。たとえ一人の人間が全ての知識を持たず、経験が無くとも、自分が欲しいと思う知識や経験を持つ人と「一緒に」物事を進め、プロジェクトを行えば、自分が全ての分野に長けている必要はなくなります。すなわち、どんなアピールの内容も、他人にとっては魅力的に映るのです。自分とは時間の過ごし方が明らかに違う他人の趣味など、自分と違えば違うほど面白いものです。「自分の趣味なんて誰も興味持ってくれない」と卑下する人もいますが、本当にそう思いますか? 意外かもしれませんが、誰もが他人に興味津々です。是非自信を持って、堂々と他人に自分のことを教えてあげましょう。皆とは違う一面を見せてあげましょう。恥ずかしがってしまってはアピール力は半減します。緊張してでも人前でアピールに成功した暁には、とても清々しい気持ちが待っているでしょう。


2. Project 1で行う「プレゼンテーション(発表)」と「プロジェクト/プレゼンテーション・スキル」


 Project 1では、大まかに言って、次に挙げる3つの「プレゼンテーション(発表)」を行い、8つの「プロジェクト/プレゼンテーション・スキル」を身につけます。これらを通した「学習」は、皆さんが何か新たな知識を得、吸収するというよりも、実際に体験することを通して、皆さん自身が既に持っている発信能力やコミュニケーション能力を大いに高めることに間違いなく役に立つでしょう。もちろんこれら以外にも多くのことを体験し、感じることがあると思います。それも皆さん自身が得る貴重な「学び」の(思いがけない)成果です。先にも述べた通り、プロジェクトに100点満点は絶対にありません。皆さんが頑張れば頑張っただけ成果はついてきますし、もともと英語が得意だったり、プレゼンテーションに慣れているといっても、取り組みの内容が不十分であれば、得るものは限りなく少なくなるでしょう。冷たい言い方になってしまいますが、プロジェクト活動を通した経験で何を学び、何を得るかは、皆さんの「自己責任」です。プロジェクトには答えもなければゴールもありません。逆に誰もが1番になれますし、誰もが大きな成果をあげることができます。
 さあ、皆さんの前には「オープン・エンド」、つまり、無限に可能性が広がる「場」が用意されています。これを生かすも殺すも皆さん次第です。頑張りましょう。

プレゼンテーション(発表)

 [1] 3分程度のミニ・セルフ・アピールをやってみよう。
 [2] 5分程度の中間プレゼンテーションをやってみよう。
 [3] 8分程度の最終プレゼンテーションをやってみよう。
 [4] その他

プロジェクト/プレゼンテーション・スキル
 1) 効果的なセルフ・アピールができるようになろう。
 2) 他人を紹介できるようになろう。
 3) プレゼンテーションのモデレーターができるようになろう(基本編)。
 4) 質疑応答を含んだプレゼンテーションのモデレーターができるようになろう(応用編)。
 5) マルチメディアを使ったダイナミックなセルフ・アピールを学ぼう。
 6) 質疑応答の仕方を学ぼう。
 7) プレゼンテーションの基本的なやり方を学ぼう。
 8) リサーチやプロジェクトとは何かについて学び考えてみよう。

 以下、各項目について説明します。

プレゼンテーション(発表)

[1] 3分程度のミニ・セルフ・アピールをやってみよう。


 プログラム開始早々、全員の皆さんにセルフ・アピールのプレゼンテーションに挑戦してもらいます。英語で3分程度の発表です。英語が上手い下手は関係ありません。自分のことをクラスの皆に知ってもらいましょう。
 プレゼンテーションにおいて、オーディエンス(聴衆)を意識することはとても大切です。いきなり人前で発表するわけですからとても緊張します。手や声が震えてしまうこともあるでしょう。でも大丈夫です。皆が同じ気持ちで、真剣にそれぞれのアピールを聞いてくれます。
 オーディエンスは皆さんと同じようは大学生です。英語の好き、嫌いはあると思いますが、英語のネイティブ話者のように、自在に英語を使いこなせる学生さんはそう多くないと思います。そんな聴衆に向かって、例えば英語の原稿を丸暗記して、マシンガントークのようにまくし立てて「言葉だけ」で3分間発表したとして、果たして理解してもらえるでしょうか。答えは間違いなく「NO」です。必ずしも熟達仕切っていない英語という言葉だけで説明されても、オーディエンスが全て聞き取って理解できる保証はありませんし、何よりもまず、言葉だけで説明されるプレゼンテーションがそもそも「面白いか?」ということを考えてみて下さい。自分が歌が得意ならば歌を披露するのが一番です。10年以上サッカーに明け暮れているなら、ボールを持ってヘディングを見せてあげてはどうでしょうか。ピアノが得意であればさすがにピアノを持ってきて弾いてみせることはできませんから、自分が演奏しているところの動画を撮って、それを見せながら説明したらどうでしょう。バレエ、ヒップホップ、太極拳等、一定の「型」があるならそれをやってみせれば一目瞭然です。
 英語の授業だからといって、英語でだけで説明しようとは決して考えないで下さい。言葉で説明するよりも、やって見せたり、実物を持ってきたり、一緒に体験したり・・・と、「言語メディア」だけに頼らない「マルチメディア・プレゼンテーション」を目指しましょう。その方が実はより分かりやすく、説得力やインパクトのあるアピールができます。
 こうしたプレゼンテーションの方法は、3分間のセルフ・アピールの発表だけに役立つものでは全くありません。日本語、英語問わず、いかなるプレゼンテーションにも通じるとても大切な要素です。
 まずはやってみることから始めましょう。経験することでいろいろなことが見えてきます。思い通りにいかなかったからといって、決して「失敗」と思うのではなく、改善点があればそれを次の発表に活かすようにしましょう。そうすれば、発表をやればやるだけ上手くなります。どんなに上手いプレゼンターも、生まれながらにして発表が上手な人なんていません。何回も何回も経験し、練習し、失敗し、その反省を次に活かし続けているからこそ上手になります。さあ、是非とも自分にしかできない、ダイナミックな3分間のセルフ・アピールをやってみましょう。

[2] 5分程度の中間プレゼンテーションをやってみよう。


 中間プレゼンテーションは、5分程度で自分のミニ・プロジェクトを英語で報告するもので、いわゆるフォーマルな発表を意識した本格的なプレゼンテーションの入り口となるものです。パワーポイントキーノート等、プレゼンテーション・ソフトを用いた発表を強く勧めます。プレゼンテーション・ソフトを使うことが初めの人も、5分間もの長さを、一人で英語で発表することが初めての人もいるでしょう。まずは経験してみましょう。うまくいかなかったとしても気にする必要はありません。プレゼンテーションに慣れることで、発表は誰でも上手くなりますし、ソフトの使い方も分かってきます。
 プレゼンテーション・ソフトを使う場合、タイトルのスライドを準備し、自分の所属や名前等をしっかり記すことを勧めます(なおタイトルだけなく、サブタイトルも付けることで、発表の内容がオーディエンスにより分かりやすく伝わると思います)。またタイトルのスライドとは別に、発表の概要を記した「アウトライン(Outline)」のスライドも用意することを勧めます。タイトル、アウトラインをしっかりと伝えることで、オーディエンスは発表者の内容を予め把握することができ、その後の発表内容の理解が深まります。
 先ほどプレゼンテーションに「慣れる」ことの大切さを述べましたが、プレゼンテーションが上手くなるための最大の方法は練習以外にありません。たくさんの聴衆を前にして緊張しないことは稀です。そのためにも、本番となるべく同じシチュエーションを準備し、何度も練習することで、自分が理想とする発表に近づけて下さい。なお英語の原稿を用意することは構いませんが、できるだけ原稿は読まないようにしましょう。目線が下がって「読んでいる」と思われることは、プレゼンテーションの価値を下げます。重要なこと、ポイントはプレゼンテーション・ソフトに書いてあるはずです。なるべく発表用のスライドと、オーディエンスを交互に見るよう意識し、手元の原稿は困ったときにだけ見るようにしてみましょう。意外とやってみたらできるものです。
 なお、3分のセルフ・アピールの発表と同じく、言語にだけ頼るような発表は避けましょう。オーディエンスからしたら、言葉だけが流れてしまい、理解が追いつかないのと同時に、魅せるプレゼンテーションではないため面白くありません。画像、動画、音声、実演、実験、図表、写真等、様々なマルチメディア素材を駆使して、オーディエンスの五感に訴えるプレゼンテーションを目指しましょう。それが皆さん自身の発表のオリジナリティー(独自性)に繋がります。

[3] 8分程度の最終プレゼンテーションをやってみよう。


 Project 1の最終到達点は、8分程度で自分のミニ・プロジェクトのプレゼンテーションをすることです。Project 1は原則として個人でミニ・プロジェクトに取り組みますので、8分もの長さを英語で発表できないかもしれないと初めは思うかもしれません。心配無用です。実際は8分はとても短い時間で、自分が取り組んできたプロジェクトのほんの一部しかオーディエンスに伝えることはできないでしょう。自分のミニ・プロジェクトで一番伝えたいことは何か、何を皆に分かってもらいたいのか、聞いてもらいたいのかを考え、時間配分を上手く行うことが大切です。練習が重要なことは言うまでもありません。
 また既に述べている通り、Project 1の最終発表はあくまで時間的な区切りであって、皆さんのプロジェクトがそこで完結するわけではありません。最終発表の時点までで考えたこと、取り組んだこと、分析・考察したこと、調査したこと等を報告し、まだ取り組めていないことについては、今後の課題として述べればOKです。Project 1の一番の目標であり、ポイントは、こうしたプロジェクト活動、プレゼンテーション活動を通して、セルフ・アピールができているかどうかです。初めからプロジェクトで「すごい」成果があがらなくても気にする必要はありません。自分のメッセージを皆に堂々と発信して、それがある程度伝わっていれば目標は達成したことになります。
 なお8分間の最終プレゼンテーションの後には簡単な質疑応答があります。予め準備をして臨めるプレゼンテーションと比べて、ぶっつけ本番の質疑応答は、思ったように英語が出てこず、オーディエンスからの質問に上手く答えられないかもしれません。しかしたとえ英語が苦手で、話すことが得意でなくても、自分のプロジェクトの内容です、必死に質問に答えることに挑戦しましょう。初めはうまく返せないことが多くても、何度もこうした経験を繰り返すことで、いずれは質疑応答にも対応できるようになります。絶対に諦めてはいけません。

[4] その他


 この他にもProject 1では、グループ内個人発表や、ペアでの発表、その他のプレゼンテーションの機会があると思います。「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」では「プレゼンテーション/発表/発信」は避けては通れません。全員が必ず行いますし、もともとこれらが不得意であっても、全員ができるようになります。そしてこうしたプレゼンテーションの技術は、大学はもとより、社会に出てからますます必要とされる能力になります。「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」を受講する皆さんは、こうしたプレゼンテーションのスキルをしかも英語で挑戦しているわけですから、その後の人生の様々な場面で必ず役に立ちます。授業だからとか、課題だからといって「やらされている」と捉えるのではなく、前向きに、そして積極的に取り組むことで、思う存分プレゼンテーションの技術を高めてもらいたいと思います。


プロジェクト/プレゼンテーション・スキル

1) 効果的なセルフ・アピールができるようになろう。


 Project 1のテーマであるセルフ・アピールをいかに効果的に行うことができるか、これはとても重要なプレゼンテーション・スキルです。そして既に「言語メディア」にだけ頼らず、多メディアを駆使したダイナミックな発表の重要性については説明しました。なお説明を付け加えておきますが、言語メディアに頼らないということは、英語を使った発表を軽視するわけではありません。むしろ逆です。何でもかんでも言語で説明すると、言語を使った説明が当たり前になり、言語メディアとしての価値は逓減します。もちろん、言葉を使ったほうが伝わりやすいものはたくさんありますし、その場合は言葉を使って伝えるべきです。しかしその一方で、映像や匂い、音声を用いて、感覚に直接訴えかけた方が効果的なものもたくさんあります。要はその「使い分け」が重要で、むやみに言語を使うことは避けるべきなのです。必要に応じて、効果的に言語を用いて説明した方が、むしろ説明にメリハリが出てきます。例えば映像を主として用いる発表で、適切に言語を用いて説明を補う場合など、この場合の言語は「脇役」ですが、非常に効果的な言語の使い方になるわけです。ですから、適材適所で「適メディア」を用いるべきで、「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」も英語を使った発信の効率性や重要さを軽視しているわけでは全くないことは強調しておきたいと思います。
 ここでは効果的なセルフ・アピールを行うためのスキルとして、もう一つのポイントを説明しておきたいと思います。それは徹底的にオーディエンスの立場に立ってプレゼンテーションを考えることです。セルフ・アピールは、一歩間違うと「(単なる)自慢」となり、「独りよがり」な発表となります。いわゆる「自己満足」的な行為です。これは避けるべきです。オーディエンスも愉快ではありません。その一方で、先述した通り、アピールは多様性に富んだ方が良いわけで、様々なマニアックなアピールがなされることは場を大いに盛り上げます。ではどうすればマニアックな内容をオーディエンスは楽しく聞いてくれるでしょうか。
 Aというシンガーが好きで、Aが好きなことを長々と語ることは確かにセルフ・アピールです。そして同じくAというシンガーが好きなオーディエンスからしたら、とても興味深く、面白い発表に違いありません。しかしながら、オーディエンスの中には、Aというシンガーに全く興味がない、さらにはAというシンガーが嫌いだと思っている人もいる可能性は常に存在します。どんなに人気のあるテレビドラマでも視聴率が100%ということはありえません。ミリオン・ヒットを飛ばした小説や音楽でも、全員がそれを手に取ったわけではないのです。つまり、自分が興味のあるプロジェクトや内容に、オーディエンスは必ずしも興味をもっておらず、そのままでは関心をしめしてくれない可能性があるということをまず私たちは十分に認識するべきなのです。
 プレゼンテーションとは、「発表という行為を通して、相手の認識を変える」ことです。自分が説明することで、相手が理解してくれたり、納得してくれたり、上手くいけば反対だった意見を賛成に変えてくれたりできるわけです。こちらがある情報を提供し、相手がその情報を得ることで知識が増えるというのも、一種の「相手の認識を変える」行為です。これがビジネスの分野になれば、プレゼンテーションは一種の「売り込み」であり、これによって相手が「物を買う」、すなわち「売り上げにつながる」わけです。この意味で考えるならば、プレゼンテーションをすることで、「確かにそういう考えもあるな」、「100%納得はできないし、同意もできないが、(少しは)興味が持てたな」といかに相手に思ってもらえるかが重要なわけです。自分がいくら◯◯が大好きだ、◯◯はすごいんだ、と語ってみたところで、それが相手の認識を変えない限り、「ふーん」、「だから何?」となってしまい、プレゼンテーションとしては失敗に終わってしまいます。「だから何?」を英語で言うと、そのままなのですが「So what?」となり、これはかなりきつい言い方です。
 自分のプレゼンテーションには聞く価値(意味/意義)がある、聞いておいて損はない、とオーディエンスに思ってもらうにはどうしたら良いでしょうか。もっと言えば、どうしたら「独りよがり」と思われないプレゼンテーションができるのか、ポイントは、自分の発表内容に可能な限り客観性を持たせることです。つまり、自分だけがそう思っているわけではないという「データ」をいかに示すことができるのか、そうした「エビデンス(証拠)」をできるだけ準備するがとても重要になります。「△△が好きだ、だからすごいと思う」、ではなく、「△△は自分も好きだが、□□のランキングで◯位にランクインしている。また著名な☆☆も次のように評価している・・・」など、なるべく客観的なエビデンスを多く用意することで、結果的に自分の主張に説得力が増します。もちろん主観的な評価や価値判断もあって構いませんし、そういった「熱意」も時には大きく物を言います。相手を動かすわけです。そしてもともとのプロジェクトのモチベーションとして、「好きだから取り組む」、「興味があるから調べる」で全く構わないのですが、プレゼンテーションとして考える際、相手が納得しやすいような「ストーリー」をいかに構築できるか、そのためにエビデンスをいかに用意できるかは大変重要な要素です。

2) 他人を紹介できるようになろう。


 他人を紹介すること、日本の大学生の多くはこのことが必ずしも得意ではありません。自分のことなら当然必死になりますし、日本語であっても英語であっても、プレゼンテーションの前には相当練習を重ねるでしょうし、練習すれば発表は必ずうまくなります。しかし他人を紹介することは、その経験の少なさも作用して、多くの人が魅力的な他人の紹介ができているとは言えません。
 他人を紹介するとは、皆さんが会議を主催したり、パーティを主催したり、あるいはリーダー的な立場で会合を牽引する場合にとても大切になる能力です。なぜなら、人を紹介することで、自分の紹介した人同士が知り合い、あらたな交流やコミュニケーション、プロジェクトが生まれます。やや難しい言葉で表現すれば、自分が「触媒」となって、ネットワークが繋がるのです。皆さん、是非他人を紹介できるようになりましょう。自己紹介に対して他己紹介という言い方もあります。
 他人を紹介するために、一番大事なことは何でしょうか。それは他人のことをよく知ることです。つまり、自分が紹介したい他者について、よく話をし、その人のことを理解しなければなりません。他人のことを自分がアピールするわけで、良いところは積極的に人に知らせるべきです。ただし嘘はいけません。できもしないことをできると言ったり、経験していないことをしているかのように語ったりすることはルール違反です。つまり、他人を紹介するためにも、その他者との密なコミュニケーションが必要なのです。他人のことを深く知る過程で、何がすごいのか、何をアピールすると良いだろうか考える必要があり、これを通してその人とより仲良くなることができます。他己紹介を通して、多くの人とネットワークを築き、自分の人生を豊かにして下さい。

3) プレゼンテーションのモデレーターができるようになろう(基本編)。


 プレゼンテーションのモデレーターとは、いわゆるプレゼンター(発表者)が発表を行う場を取り仕切る「案内役」のような役割を果たします。モデレーターの最大の役割はプレゼンターの紹介をすること(他己紹介)ですが、ここで重要なこととして、一言で「紹介する」と言っても、その方法には様々なやり方があるということです。すなわち、単に機械的に名前や発表タイトルを読み上げることも一つの紹介ですし、オーディエンスに強く印象に残るような、そして何よりもプレゼンターにとって「ありがたい」紹介をプロデュースするのも一つの紹介です。先に指摘した通り、こうした「紹介」の作法や経験について、日本の大学生の多くは不慣れで、必ずしもうまくありません。しかしながら、「プロジェクト発信型英語プログラム」の受講を通して、人を紹介することが得意になりましょう。どんなことでも「お互い様」です。自分が他人を少しでも良く紹介することができれば、きっと他人も自分のことをよく紹介してくれるでしょう。
 以下、プレゼンテーションのモデレーターの例を示します。質疑応答を含まない、基本的なパターンで、どんな場面でも使える表現です。

【モデレータ】
My name is Tsukasa Yamanaka.  I would like to introduce Taro Tanaka.  His/Her presentation theme is about football. (他の表現でもOK)
(ここで何か一言、二言、三言付け加えよう。テーマに関することでも、人柄に関することでも、聞く側にとって、プレゼンターのアピールになる情報を与えることが大切。)
Let’s enjoy his presentation. (Shall we listen to his presentation/Let’s look forward to watching …)
ここで、マイクを渡す(バトンタッチ)。
   ⇩
【プレゼンター(発表者)】
[発表をする。発表者は、必ず、Thank you for your introduction/Thank you Tsukasa等と言ってお礼を言おう!!]
   ⇩
【モデレーター】
[発表が終わったら…][マイクをもらって]
Thank you for the wonderful presentation.  Let’s give him/her a big hand. (他の表現でもOK)

4) 質疑応答を含んだプレゼンテーションのモデレーターができるようになろう(応用編)。


 次に応用編として、質疑応答を含んだモデレーターについてもできるようになりましょう。なおモデレーターの役割は、単に発表者を紹介し、質疑等と取り仕切るような、言わばプレゼンテーションを「捌く」だけの役割ではないことを理解して下さい。モデレーターはプレゼンターを時に助け、場を盛り上げることで、プレゼンターの発表が成功するようにサポートすることが最大の使命です。「◯◯さんがモデレーターで良かった」と発表者に思ってもらえるよう、できる限りのサポートを自分で考え、自律的かつ即座に行いましょう。例えば以下に質疑応答の例を示しますが、オーディエンスから質問が出なかった場合、せっかくプレゼンターが頑張った発表が白けてしまいます。そうした際は積極的に自分から質問を投げかけたり、オーディエンスを指名して質疑応答を促したりと、その場に応じた臨機応変の対応ができることが望まれます。また冒頭のプレゼンターの紹介の箇所でも、例えば今回のプレゼンターの発表内容がややオーディエンスには馴染みのないものであった場合、それと関連のある話をすることで、オーディエンスの理解を助け、興味を引きつけることで、プレゼンターのサポートとすることもできます。これらはほんの一例ですが、一言でポイントをまとめれば、「モデレーターはプレゼンターに恥をかかせない」ということだと思います。プレゼンターが少しでも安心して、そして発表が成功するように、尽くせるだけの手を尽くしてサポートする、それがモデレーターです。そんな理想形を目指して、「良い」モデレーター、「指名されるような」モデレーター目指しましょう。

【モデレーター】
My name is Tsukasa Yamanaka.  I would like to introduce Taro Tanaka.  His/Her presentation theme is about football. (他の表現でもOK)
(ここで何か一言、二言、三言付け加えよう。テーマに関することでも、人柄に関することでも、聞く側にとって、プレゼンターのアピールになる情報を与えることが大切。)
Let’s enjoy his presentation. (Shall we listen to his presentation/Let’s look forward to watching …)
ここで、マイクを渡す(バトンタッチ)。
   ⇩
【プレゼンター(発表者)】
[発表をする。発表者は、必ず、Thank you for your introduction/Thank you Tsukasa等と言ってお礼を言おう!!]
   ⇩
【モデレーター】
[発表が終わったら…][マイクをもらって]
Thank you for the wonderful presentation.  Do you have any questions?  (もし質問が出なかったら、) Now I have a question. (他の表現でもOK。内容に関する質問をする。この質疑応答を通してプレゼンの内容がさらに深められれば理想的。) 
Thank you again for your great presentation.  Let’s give him/her a big hand. (他の表現でもOK)

5) マルチメディアを使ったダイナミックなセルフ・アピールを学ぼう。


 既に何度か述べてきたことですが、プロジェクトの発信は言語メディアだけに頼らず、マルチメディアを駆使した皆さん独自のアピールを目指しましょう。

6) 質疑応答の仕方を学ぼう。


 質疑応答は積極的に行いましょう。せっかく一生懸命に発表しても、一つも質問がないと場が白けます。質疑応答とはコミュニケーション活動の一つと考えましょう。質問者は必ずしも鋭い質問をして、発表者の隙をついたり、発表の足りないところを指摘する必要があるわけではないのです。オーディエンスとして聞いていて分からなかったところ、速すぎて聞き取れなかったところ、またそもそもさっぱり理解できなかった箇所など、積極的に質問してもう一度説明してもらいましょう。再度説明を求めることは失礼でも何でもなく、発表者は喜んで説明を繰り返してくれるはずです。発表者にとって一番関心のあることは、オーディエンスが自分の発表に興味を持ってくれるかどうかなのです。全く質問が出ないことは、オーディエンスが全く自分の発表に興味を示してくれていないのかと発表者を不安にさせます。あまりに素晴らしい発表であったり、説明が自分の理解を超えていたりした場合、なかなか咄嗟には質問が思いつかないと思います。そうした際は、質問ではなく、コメントをしましょう。自分がその発表を聞いてどう思ったか、何を感じたか、何が参考になったか/勉強になったか・・・等、コメントをすることで発表者もさらにコメントを返し、コミュニケーションが生まれるでしょう。
 また、一つの礼儀として、質問者が質問を始める前には、いきなり質問を切り出すのではなく、発表に対するお礼や肯定的なフィードバックをすることが良いでしょう。海外の学会等ではとくにこの傾向が見られますが、質問者も、その他のオーディエンスも聞いていて気持ちのよいものです。「必ずお礼をしてから質問を始める」ことを習慣化している人もいます。とても良い心がけだと思います。
 なお質疑応答が活発でない場合、モデレーターや総合司会者(Chair)が皆さんを指名することもあるでしょう。そうした際、なかなか質問をいきなりするのは難しいかもしれませんが、ずっと黙っていて場をやり過ごそうとしたり、No question.とだけ言って指名を断ったりするのはやめましょう。こうした行為は場を大変白けさせると同時に、発表者が気分を害します。さらに、指名された皆さん自身が「この人は発表を聞いていなかったのではないか?」と思われてしまいます。先ほど指摘したように、コメントでも構いませんし、どんな簡単な質問でも結構ですから、指名された場合は必ず何かコミュニケーションを返すようにしましょう。

7) プレゼンテーションの基本的なやり方を学ぼう。


 Project 1では、プレゼンテーションの基本的なやり方を学びます。5分、8分と、比較的まとまった時間で発表ができる場合、パワーポイント等のプレゼンテーション・ソフトを使い、文字だけでなく、動画や写真等を積極的に組み込んだマルチメディア・プレゼンテーションを目指しましょう。
 プレゼンテーションとは何でしょうか。いろいろな説明があると思いますが、一言で言えば、「message-drivenであったかどうか」が問われます。つまり、プレゼンテーションの中に明確なメッセージ、つまり「伝えたいこと」があり、それがdriven、つまりオーディエンスに(しっかりと/ある程度)伝わったかどうか、ということです。そのためには、プレゼンテーションを構築する前に、自分がこの発表を通して、オーディエンスに何を伝えたいのか、そのメッセージについて真剣に考えてみることが大切です。「◯◯のことをみんなに知ってほしい」というのももちろん立派なメッセージです。しかしそれでは少し弱いかもしれません。ただ「知ってもらいたい」のではなく、「△△がきっかけとなって、現在起こっている☆☆という現象につながっていることを理解してもらいたい」とか、「□□を身近な問題として認識し、今日からでもできることをやってもらいたい」とか、少しでも発表をメッセージ性の強いものにできると、アピール力はそれだけぐっと高まります。また、いくらプレゼンテーションそのものにメッセージがあっても、それを伝える「伝え方」が十分でないと、せっかくのメッセージがオーディエンスに届きません。入念に何回も練習することはもちろんですが、「なるべく原稿を見ないで、オーディエンスの方を見て発表する」、「自信なさげではなく、堂々とオーディエンスに語りかける」、「発表の間にオーディンエスに問いかける等、様々なインタラクションを組み入れて、オーディエンスを巻き込んだ発表を目指す」、「アイコンタクトを意識する」、「スライドはポイントだけにして、分かりやすくする」、「重要なことは繰り返す」等、考えられる可能な限りの工夫を試みましょう。皆さんの知り合いの中にもプレゼンテーションが上手な友達や先輩がいると思います。しかしその人達であっても初めからプレゼンテーションが上手かったわけではありません。プレゼンテーションは練習によって誰でも必ず上手くなります。プレゼンテーションの上手な人は、人知れず数多くの練習をしているものです。

8) リサーチやプロジェクトとは何かについて学び考えてみよう。


 皆さんはProject 1を通して、リサーチやプレゼンテーションに取り組みます。実際の活動を通して、リサーチやプレゼンテーションを経験し、リサーチやプロジェクトについて学ぶことになります。リサーチとは何か、プロジェクトとは何か、これらに簡単に答えることは容易ではありません。先に触れたように、広義のプロジェクトには深遠で広大な意味世界があり、その定義は多様です。ここではプロジェクト活動の重要な一角を占める、「リサーチ」についてヒントを述べておきたいと思います。
 リサーチとは、大きく分けて、「調べる」部分と「深める」部分に分けられると思います。そして「リサーチ」を「研究」と訳すこともあることから分かるように、世界中の一流の研究者が行っている研究活動もまた、「リサーチ」と称されます。本格的なリサーチに必要とされる重要な2つの要素は、「オリジナリティ(originality、独自性)」と「エビデンス(evidence、証拠)」だとされます。リサーチには、自分なりの分野、自分なりの切り口(視点)、自分なりのデータがあり、それを基にした研究プロジェクトは、必然的に皆の関心を惹きます。もちろん、初めから「自分にしかできないこと」が見つかるわけもなく、インターネットを調べたり、図書館に行って本を読んでまとめたりすることから始めることはとても重要です。
 ここで一つ助言をしておこうと思います。先の「ストーリー」の説明とも関連しますが、なぜ自分がそのリサーチに取り組むのかを考えてみましょう。自分がそれを調べる必然性はあるのだろうか、他の人ではない、自分がやる意味は何だろうかと考えるのです。もちろん、そういった必然といえるほどのものが見つかることは稀ですが、自分が取り組む意義が定まることで、自分なりの視点が見えてくることがあります。多くの資料やデータから、自分なりのまとめ方でポイントを整理していくことも、リサーチを「深める」ことにつながります。
 このような意味でリサーチを考える場合、リサーチはとても長い時間がかかることに気づくでしょう。授業の時間だけで考えて、パッと思いつき、パッと実行できるようなものではありません。自分なりの視点を出そうと思ったならば、いつも自分の頭の中に思い描き、生活の様々な場面で考え続けることで、時に良い考えや面白い切り口が出てくるものです。ですから、先に述べた通り、プロジェクト活動、リサーチ活動を単なる「一授業での取り組み」と考えずに、自分の人生に役立ち、活かすことができるとても良い機会だと考え、「意味あること」をして下さい。こうしたリサーチの経験、プロジェクトの経験は、それが直接的に役に立っていないとしても、間接的には必ずや皆さんの人生の糧になるはずです。頑張って下さい。